続・企業法務の仕事

<就活応援企画>続・私が企業法務を仕事としたこと

企業法務担当者① 南 裕子(積水化学工業、弁護士)
【いつ、法律で仕事をしようと考えたのですか?】
現実的な話ではないのですが、小学生のときにテレビドラマで活躍する弁護士さんを見て、将来弁護士になりたいなと思ったのが最初です。大学に進学するときも、子供のころの気持ちのまま、迷うことなく法学部に選びました。
【企業法務を仕事とするためにやったこと】
大学では法曹資格を取得するまでには至らなかったこともあり、法務職を採用している企業を中心に就職活動をして、企業の法務部門で仕事をすることを目指しました。
【現在の主たる業務は?】
現在の会社の制度を利用して、法科大学院に通い、その後弁護士資格を取得したこともあり、現在は社内弁護士として、内部通報制度の窓口対応、社内規程の整備などコンプライアンス全般を担当しています。
【今後企業法務を目指す人たちへのひとこと】
企業法務をはじめ企業活動は法令を遵守することが前提です。法令の遵守は企業として正解がひとつしかないということを意味しません。企業法務の仕事にもたくさんの「正解」が存在しており、法令遵守を前提としながら、自組織に合ったその「正解」を見つけ出す作業は、奥深くて、楽しいですよ。
(2017年11月19日)

企業法務担当者② 若林 潤(泉)
【いつ、法律で仕事をしようと考えたのですか?】
高校生の頃に見たテレビドラマに感化されて弁護士になることを目指すようになり、法学部、大学院法学研究科と進学したことが1つめです。弁護士にはなれませんでしたが、理屈で物事を考えることは元から嫌いではなく、せっかく勉強した知識を生かせる仕事を、と考えて法務職を目指したことが2つめになります。
【企業法務を仕事とするためにやったこと】
最初に就職した化粧品メーカーでは法務の仕事以外にも人事や総務の仕事もしていたのですが、やはり法務をしたいと思って、現在の会社に転職したことがあげられます。法律の勉強は司法試験の勉強をしていた学生時代からの知識が今でもベースになっているとは思います。
【現在の主たる業務は?】
それほど大きな規模の会社ではありませんので、審査と法務の両方を担当しています。法務では契約書審査(国内・渉外両方。関係会社分も含む)や営業からの各種法律相談、株主総会対応、紛争処理、案件は多くはありませんがM&Aなどもあり、かなり手広く扱っています。それに加えて、審査では与信管理、債権回収もあり、商社ゆえに取引先が多く、管理も保守的かつ厳格な社風だけになかなか大変です。
【今後企業法務を目指す人たちへのひとこと】
法務職といえば法律の知識をもってお固い仕事をしているというイメージで、それは半分当たっていますが(笑)、実際は現場の営業マンや顧問弁護士、会社の経営層などとのコミュニケーションが最も大事な仕事だと思います。
法律の知識はその前提となるもので、法改正や判例の動きとともに常にアップデートをしていかなければならず、また、仕事をしていく中で実践的に学んでいくことや将来何か仕事の役に立ちそうと思ったテーマについては少し深堀して調べてみたりすることも必要でしょう。普段の業務をしながらそれを追いかけていくのはなかなか大変なことではありますが、それが苦でなくやりがいに感じられる人は法務職に向いているのではないでしょうか。
(2017年12月9日)